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森未来・浅野純平代表取締役に聞く 木材のECサイトで業界活性化

森未来・浅野純平代表取締役に聞く 木材のec

電子商取引(EC)ベンチャーの森未来(しんみらい)が昨年11月から始めた木材のECサイト「eTREE(イーツリー)」が話題を集めている。木材業者が個別にECサイトを開設する例はあったが、全国の木材業者を束ねたサイトはないという。倉庫に眠る高品質木材の流通に道を開くなど林業、木材業界の活性化に役立ちそうだ。「林業、木材業界の発展に尽くしたい」と語る浅野純平代表取締役に狙いや今後の展望を聞いた。

 

--木材のECサイトを立ち上げた理由は

 

「IT企業に勤めていたが、いずれインターネットを活用して世の中に役に立つ事業を起こしたいと考えていた。そんな中、林業、木材関連はEC化が遅れていたこと、さらに同産業の活性化は地方創生という国の施策にも合致することから、ポテンシャルが高いと判断した。東京の木材協同組合に飛び込んで業界の勉強をし、2016年4月に森未来を設立した」

 

--「eTREE」の特徴は

 

「国産材を中心に杉やケヤキ、カエデなど約30の樹種の柱や板、端材などさまざまな木材を、現在約400点取り扱っている価格帯は数千円から数十万円まで幅広い。サイトには木材業者の紹介ページや商品の特徴などを掲載したほか、チャット機能を搭載し、ユーザーの使用する用途にどの木材が最適化などをきめ細かく答えることもできるようにした」

 

--狙っている用途は

 

「DIY(日曜大工)用途で利用が進んでいるが、個人向けの家具用にも販売を広げたい。当然、マーケットの大きい建築業者、工務店などのBtoB(法人向け)にも積極的に売っていく。登録木材業者は対応中のところを含め現在20社程度だが、今年11月末までに100社に引き上げ、取り扱う木材も25倍の1万点に増やす。その時点で、流通金額も1億円規模を目指したいと考えている」

 

--林業、木材業界の課題は

 

「いくつかあるが、外材は供給態勢が整っているのに対し、国産材は安定供給体制が未整備のままで価格も下がってしまっている。同時に木材に対して強い思いを持っていてもそれを伝える手段がない木材業者がたくさんいる。eTREEは、1社単独では生み出せなかった木材のマッチングを、業界全体として新たな需要を創出するプラットフォームを目指している。木材業者から『こんなECサイトが欲しかった』との声を多数もらい、大変励みになっている」

 

【プロフィル】浅野純平

 

あさの・じゅんぺい 千葉県立千葉工業高卒。IT企業に10年勤務した後、2015年秋川木材協同組合入り。16年4月に森未来を設立し、現職。37歳。千葉県出身。

 

 

【会社概要】森未来

 

▽本社=東京都港区芝5-14-14 ビジデンス三慶401

 

▽設立=2016年4月

 

▽資本金=100万円

 

▽従業員=5人

 

▽事業内容=木材ECサイト「eTREE」の運営

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